一人暮らしの狭い部屋には、置けるものが限られています。
限られた空間をなるべく住みやすいものに変えるため、一人暮らし初心者は目にとまった便利な商品を片っ端から買ってしまいがち。
その結果、下記のような失敗をしてしまいます。
「便利そうだから買ってみたけど、使いづらいなあ」
「やっぱりあっちの商品が自分には合っていたかも」
もちろん便利な商品がほとんどですが、中には購入すると役に立たないどころか、居心地のいい部屋つくりを邪魔する商品もあるのです。
- 無駄な買い物を減らすことができる
- 快適な一人暮らしをするため、本当に必要なものがみえてくる
10年以上1Kや1Rといった6、7帖の狭い部屋に住み続けた経験から選んだので、同じような条件で暮らしている人、これから暮らす予定の人にとって役に立つ情報となっています。
一人暮らし初心者が買うと失敗するもの
まずは一人暮らし初心者が買うと失敗するものを紹介します。
- ロフトベッド
- おしゃれな雑貨類
- 収納アイテム
- プリンタ
- 洗剤(ジェルボール)
- DIY商品
- 三角コーナー
- 高額な加湿器
大きな家具から小さな備品までいろいろありますが、ひとつずつ紹介していきましょう。
ロフトベッド
ロフトベッドは買ってから後悔する可能性が高い商品の筆頭といえます。
収納スペースを備えているものが多く、部屋面積の節約になると考えられることが多いロフトベッド。
しかし実際に使ってみたら、それほど収納に優れているということもなかった、と感じる人は多いです。
商品によっては土台部分が一回り大きくなっている場合があります。
存在感が強く家具の配置に自由度がなくなってしまうことがデメリットとなるでしょう。
一人暮らし初心者だと、最初に設置した位置がしっくりこないなどの理由から、家具の場所を変えることが想定されます。
ロフトベッドはその大きさから、動かすことは容易ではありません。
そのため模様替えに時間と労力が相当かかってきます。
また単純な使い勝手として、ベッドが上段にあるため利用するために毎回上り下りが発生。
毎日この作業をしていると、だんだん煩わしく感じてくる人も多いはず。
天井の高さにもよりますが、ベッドに横たわったときに窮屈な感覚となりやすい点もデメリットのひとつ。
ロフトベッドは収納が優れているからという理由だけで、安易に手を出すのはおすすめしません。
ロフトベッドに強いこだわりがある、自分の住んでいる部屋が、ロフトベッドに適した間取りとなっているなどの場合は、ロフトベッドの購入を検討してもいいでしょう。
おしゃれな雑貨類
必要以上に部屋を飾るためのアイテムを購入するのはNGです。
おしゃれな雑貨を筆頭に、ぬいぐるみやフィギュア、サボテンなど小型の鉢植えも対象となります。
無駄な装飾は部屋をごちゃごちゃさせる一番の要因。
せっかくつくった部屋の雰囲気を壊しかねません。
主張の強いぬいぐるみやフィギュアはひとつでも部屋の雰囲気に影響を与えます。
もう一つの問題点として、掃除や模様替えをするときの手間が増えます。
一つひとつは大した手間にはならないでしょう。
ですが、フィギュアを大量に飾った棚のほこり掃除ともなると、それだけでかなりの労力を費やすことになります。
あちこちに飾るより、空間にメリハリが出て、装飾自体もぐっと際立ちます。
掃除をする手間も減るためきれいな状態を維持しやすくなることも大きなメリット。
どうしても好きなフィギュアなどをたくさん飾りたいという人は、クリアケースに入れて並べましょう。
ほこりの掃除がしやすくなったり、模様替えをするときの持ち運びが楽になったりしますよ。
収納アイテム
収納用のアイテムをどんどん買い足すのはよくない傾向です。
不要なものを処分することができなくなってしまい、あなたの部屋をいわゆる汚部屋へと近づけていきます。
収納アイテムを使っても、ものが減るわけではありません。
ぼくは10年以上一人暮らしをしていて、一人の人間が生活するのにそれほどたくさんのものは必要ないと感じました。
今の自分が必要としていないものは、部屋になくても困らないはず。
いつ使うかも定まっていないものを保管し続けるのは、自分の首を絞めているようなもの。
散らかった部屋をキレイに整理したい、という発想から収納アイテムを買い足そうとしているのであれば、使っていないものを部屋から減らすという考え方にシフトしてみてください。
部屋はスッキリしていたほうが心地いいです。
とはいえ収納アイテムがまったくないという状況は逆に不便。
ですので収納アイテムを部屋においてもいい限度というものを、自分の中で決めておくのがおすすめです。
たとえば壁に突っ張り棒を固定して収納エリアを増やすアイテムは、3つ以上購入しない、など。
そのルールで片づけきれなかったものは、潔く処分する、という縛りがあれば、部屋にものが溢れかえってしまうことは少なくなるはず。
プリンタ
自分の部屋にプリンタを置く必要はありません。
普通に生活していて、毎日のように印刷しなければならない書類がある、という人はほとんどいないと思います。
月に1度必ずプリンタを起動させる、と断言できない人は、場所も財布も圧迫するだけなのでプリンタの購入は見送るのがいいでしょう。
またプリンタは定期的に使用しないと機械やインクに不具合が発生することもあります。
そのため年賀状の印刷など、必要な場面で機能を発揮してくれない、ということが想定されます。
一度はコンビニで見たことがあると思いますが高性能なマルチコピー機のため、家庭用のプリンタよりもムラのないきれいな印刷をしてくれます。
最近ではPCやスマホで利用できるネットプリントのサービスが便利になってきています。
自宅で印刷したい画像を専用のアプリなどに登録し、店舗に行って機械にパスワードを入力することで印刷が可能。
サービスが導入されているコンビニの専用ページで簡単に利用できるのでぜひ使ってみてください。
洗剤(ジェルボールタイプ)
ジェルボールタイプの洗剤は一人暮らしには向いていません。
特に、空いている時間に洗濯機を回す人や、毎日のように洗濯機を回す人が該当します。
理由としては、ジェルボール一つ分で想定される洗濯物の量より少ない衣類の洗濯をすることが多いため、効率的ではないためです。
一度の洗濯で一つ使うため使用回数が限られるだけでなく割高にもなります。
粉末タイプか液状のタイプで使いやすい洗剤を購入しましょう。
特にこだわりがなければ、洗濯物の数に合った洗剤の量を使った場合だと、液体洗剤のほうが少しだけ経済的になります。
ただし時短や家事のストレス軽減という観点からだと話は別。ジェルボールなら洗濯物といっしょに投げ込むだけなので手間が少なく時間もかかりません。
DIY商品
DIYでオリジナルの部屋をつくる場合、一人暮らし初心者はこだわりすぎないことをおすすめします。
前提として無計画な材料の購入は無駄使いになるだけです。
壁を加工するDIYは賃貸物件ではやらないほうがベター。
敷金がある物件では、退去時に戻ってくるお金が少なくなるかもしれません。
壁紙を前面張り替えたり、簡単に取り外しのできない壁収納を設けたりすると、今後模様替えをしようと思ったときに、インテリアの自由度が落ちるというデメリットも発生する可能性があります。
DIYをするなら、やりなおしがきく箇所を、お金のかけずに行うのが一人暮らし初心者の鉄則です。
完成したイメージをある程度でも想像しておけば、無駄な買い物を少なくすることができるでしょう。
三角コーナー
シンクに置く三角コーナーは購入する必要はありません。
一人暮らしの生活では、そうそう生ゴミが溜まることがないためです。
捨てる機会がない分、いつまでも生ゴミを入れっぱなしにしてしまうことでカビが発生、水回りを不衛生にする原因となってしまいます。
生ゴミを捨てるときは、直接ゴミ袋に入れてしまいましょう。
小さなゴミ袋に入れて口を閉じてしまえば匂いを防げますし、万が一虫が湧いたときも被害を最小限に抑えられます。
高額な加湿器
高性能な加湿器は、乾燥がひどい環境でなければ不要です。
加湿器は1年を通して使用するシーンが限られます。
乾燥が気になったときに活躍してくれるプラス面よりも、貴重な部屋面積を圧迫するマイナス面の方が強いです。
水を使うために、お手入れの仕方が悪いとカビを発生させる可能性もあります。
空気清浄機付きの商品であれば出番が増えるため購入の価値は高いですが、値段も高くなりやすいことは覚えておきましょう(1台で8万円くらいする商品もあります)
加湿器を導入しない場合の代案として、肌の乾燥が気になっている人は保湿力の高い保湿クリームを、喉の渇きが気になるならハチミツ入りののど飴がおすすめです。
濡れたタオルをハンガーでつるすだけでも湿度は改善します。
どうしても加湿器が欲しい人は、小型の卓上加湿器で十分です。
よく選んで買ったほうがいいものを紹介
続いて、よーく注意したうえで購入したほうがいいものを紹介していきます。
具体的には下記の商品です。
- お湯をつくるためのアイテム
- ソファ
- 洗濯機
- 衣類を収納する家具
- 掃除機
- テレビ
具体的にと言いつつ、ふわっとしたものがいくつか紛れてしまいましたが、ちゃんと解説していきます。
お湯をつくるためのアイテム
お湯をつくるためのアイテムはいくつかあります。
- 電気ポット
- 電気ケトル
- ヤカン
- (お湯が出る)ウォーターサーバー
自分の生活にあったものを用意しましょう。
電気ポット
電気ポットは水を沸かしておけばいつでも温かいお湯を使うことができます。
商品のサイズにもよりますが、そこそこ大量のお湯を作り置きしておけます。
コーヒーや紅茶など、少量のお湯を頻繁に使う人は電気ポットがおすすめです。
大容量のカップ麺をつくるときにも活躍してくれるでしょう。
ただし常に保温のため電気代がかかることはデメリットといえます。
ちなみに3リットルサイズの電気ポット1ヶ月分の電気代は、およそ450~600円と言われています。
電気ケトル
電気ケトルは必要なときに必要な分だけお湯をつくることができます。
使わないときは水を切っておくことで清潔に使うことができ、電気ポットと比べて電気代が安いです。
カップ麺を食べるときなど、必要な時だけお湯を沸かしたい人にとっては使いやすいでしょう。
お湯が沸くまで1分という商品も多く、帰宅してすぐ食事をしたい人にも便利です。
一方お湯を保存しておくことができない点や、一度にたくさんのお湯を沸かすことができない点はデメリット。
大容量のカップ麺に必要なお湯をつくれない、朝にすぐお湯が使えないなどが想定されます。
ヤカン
ヤカンは先に紹介した2つに比べて原始的ですが、その分故障の心配がない点が最大の長所。
電気ケトル同様必要な分量の水をつくるのに適しており、さらに一度に沸かせるお湯の量が多いです。
最近では料理好きな人向けにアンティーク調のおしゃれなヤカンも増えてきていることから、意外と人気の高いアイテムです。
短所はもちろんお湯が沸くまでの時間の長さ。
お湯が沸くまで眺めていても、飽きないデザインの商品を選ぶのをおすすめします。
食洗器を持っている人にとっては、食洗器で洗えない点もデメリットといえるでしょう。
自分の手で洗いたいと思えるような、愛着あるフォルムの商品を購入すると洗い物が楽しくなります。
(お湯が出る)ウォーターサーバー
最後に紹介するのはお湯が出るタイプのウォーターサーバーです。
初期のセットアップをしてしまえば、あとは水がなくなったときに補充するだけのリア充家電。
商品によっては水道水から水をひいてくるタイプもあります。
いちいちお湯を沸かす必要がなく、必要なときに必要な分だけお湯が出せるため、実用性だけをみればウォーターサーバーは最強です。
本題とはズレますが、今までスーパーで重い水を買って家まで運んでいた、という人にとっては、その苦労がなくなることが一番のメリットとなるかもしれません。
ウォーターサーバーの内部で水を循環させていることに加え、メーカーと契約して使っているウォーターサーバーなら、定期的なメンテナンスもしてもらえるため衛生面の心配は少ないです。
ただデメリットとして、他のお湯を沸かすアイテムに比べてコストがかかります。
またウォーターサーバーによっては、水の容器をセットする位置が機械の上部になっていることもあり、力がない人にとっては使いづらいかもしれません。
狭い部屋でも設置しやすい小型のウォーターサーバーもありますが、水の補充頻度が増える点には注意しましょう。
ソファ
ソファの購入は、狭い部屋に住む一人暮らし世帯にとって、特に慎重になるべき一つといえます。
優雅な一人暮らしの空間にソファはマスト、と考える人は多いです。
しかし実際に購入して使ってみたら、場所をとるため他の家具が起きづらくなったり、そもそもそんなに利用することがなかったりなどのマイナスの意見が多いのが現実。
ソファを置くことが憧れだったから、という理由だけで購入するのは失敗のもとです(ぼくもこの考えの持ち主ですが……)
ソファのメリットだけでなく、デメリットもしっかり理解した上で、購入するべきかどうかを決めましょう。
洗濯機
一人暮らしの生活において、洗濯機は必須ツールです。
購入する際は性能と値段をしっかり吟味してください。
性能で選ぶと乾燥機付き洗濯機。
ドラム式洗濯機は乾燥機の機能を備えている商品が多いですね。
時短家電の紹介動画でなんどもこすり倒されていることからも分かる通り、乾燥機付きの洗濯機は殿堂入りともいえる時短ツール。
世の中でもっとも大事なものは命でも愛でもなく時間、というのはさすがに言い過ぎですが、乾燥機付きの洗濯機を導入することで、自由に使える時間が1年間で30時間以上生まれます(九九位の実体験から算出)
ただし乾燥機付きの洗濯機は、価格が非常に高く、10万円オーバーの商品もざらにあります。
ドラム式洗濯機の場合奥行きがそこそこあるため、部屋に入らない、洗濯機置場に設置できないなどの問題が出る可能性にも気をつけましょう。
新生活の初期費用を抑えるなら、乾燥機付きではない縦型の洗濯機一択です。
乾燥機能がないため洗濯を干す手間が発生します。
ただ前向きにとらえると、家事のスキルが上がったり、晴れた日に天日干しすることでお日様のいい香りを楽しめたりします。
一方、冬場や雨の日は部屋干しになるため乾きづらい点がどうしても付きまといます。
対策として、扇風機やサーキュレーターを使うことで空気を循環させ、衣服の水気を飛ばすことで乾燥を促すことが可能です。
浴室乾燥機能のある部屋に住んでいる人は、ぜひ活用してください。
また乾燥機付きの洗濯機を使いたいけど、部屋に置くことができない、資金が足りない、などの理由で縦型の洗濯機を導入を検討している場合は、家電のサブスクも選択肢に入れておくといいかもしれません。
サブスクとは月額課金サービスのことで、平たく言うとレンタルサービスのこと。
レンタルする期間によっては、普通に購入するより予算を抑えて家電を使うことができます。
「とりあえず学生生活の数年間だけ縦型の洗濯機を使って、社会人になって引っ越ししたら、アルバイトでためた資金で乾燥機能付きのドラム式洗濯機を買うぞ!」という人はサブスクの利用がおすすめです。
レンタルサービス終了に合わせて、使っていた洗濯機を無料で引き取ってもらえるケースがほどんど。
衣類を収納する家具
衣類を収納するための家具を購入する場合は、他の家具とのバランスに気をつけて選びましょう。
衣類の収納アイテムはタンスや衣装棚、衣装ケースやラックなど種類があります。
いずれの家具にしても、大きさがネックになりやすいです。
手持ちの洋服の量を考えて、なるべく小さいものを使うことを心がけましょう。
家具の中では比較的部屋に置く優先度が低いため、他の家具を揃えてから購入すると、インテリアの観点からは上手な部屋づくりがしやすくなります。
基本的には周囲に置く棚などとの高さや奥行きを揃える、素材の質感を揃える、可能な限り色合いを揃える、と、それなりに整った印象の部屋をつくることができます。
掃除機
掃除機にもいくつか種類があるため、自分にとって使いやすいものを選ぶ必要があります。
掃除機と聞いて思い浮かべるのは、キャスターのついた本体からホースが伸びている形状のものだと思います。
他には吸気口とゴミが溜まる本体が一体となったスティック型の掃除機もあります。
スティック型の掃除機の中には、コードレスになっているものなどもよく見かけますね。
どちらも一長一短ではありますが、おすすめはコードレスではないスティック型の掃除機。
キャニスター型は掃除をしたときの機能性が高いですが、本体が大きく収納スペースを圧迫しやすいため、狭い一人暮らしの部屋には不向きといえます。
収納がしやすいスティック型のものでも、十分部屋を清潔に保つことはできます。
価格が一万円以下の商品も多いことから初期費用を抑えることにもつながるでしょう。
狭い部屋だとコードレスの商品を使うメリットも薄いので、低価格の使いやすいものを選びましょう。
カーペットやラグなどを敷かないならクイックルワイパーやハンディタイプの掃除道具で事足りる場合も多いです。
テレビ
現在、YouTubeなどの動画コンテンツが広まってきたことで、部屋にテレビをおかない人が増えてきています。
日々のランニングコスト(電気代)としてはそれほどかかりませんが、時間という資源を有効に活用したいならテレビを置かないという選択肢は有効です。
ニュースなど必要な情報はネットからでも十分に得られます。
テレビを置かないとテレビスタンドも置く必要がなくなるため、部屋の有効スペースを広げることにもつながります。
もしこれからテレビを導入しようと考えている人は、壁掛けできる薄型テレビを購入するのがいいでしょう。
壁をほとんど傷つけない、ホチキスで固定するアイテムも出ていますよ。
震度7相当の揺れを与える実験にも耐える強度らしいので、安心して使えますね。
まとめ
今回の内容は以上となります。
ぼくの経験をもとにしたラインナップなので、人によっては「いや、違うでしょ」と思う項目もあったと思います。
そう感じたものに関しては無視してもらって問題ありません。
ぼくにとっては失敗でしたが、あなたの生活にとっては、暮らしを豊かにする重要アイテムである可能性があるからです。
この記事を読んで共感できる項目がひとつでもあったなら、それだけで十分。
買った後に「損したかも」ということが、1回分減ることになります。
一人暮らしの限られた空間を、不要なものが占拠するスペースが僅かでも減ることになります。
充実した一人暮らしは、住み心地のいい部屋があってこそ成り立つものだと信じて、この記事を書きました。
あなたの生活に少しでも役立てたら幸いです。
というわけで、読んでくれてありがとうございました。